2016年11月19日

「王とサーカス」(米澤穂信)

機内のどこかで、誰かが感嘆の口笛を吹いた。
顔を上げれば、ヒマラヤの峰々が陽光を浴び、目と同じ高さで輝いていた。彼方まで続く山塊はあまりにも雄大で、神秘的なまでに美しい。圧倒的な存在感にエンジン音も期待の揺れも忘れてしまう。偉大さに目と心を奪われる。
けれど、わたしは信じている。
眼下のちっぽけなカトマンズにも、そして地球上のあらゆる場所で繰り広げられる人間の営みにも、同じように偉大さは宿っているのだと。
「王とサーカス」より

2014年8月から2016年6月まで、仕事でネパール カトマンズに5回のべ110日滞在していたこともあり、このカトマンズを舞台にした「王とサーカス」を手に取った。

「王とサーカス」は2001年6月にネパール王国の王子が自分の父母の王・王妃を含む王族9名を殺害したナラヤンヒティ事件の当時のネパール政情を背景に日本人ジャーナリスト太刀洗万智が巡り合った殺人事件にまつわるミステリー小説だ。

この小説は「ジャーナリストである主人公、太刀洗万智の心情の描写」、「万智が滞在するホテルトーキョーロッジの宿泊客と従業員のネパール人たちに関わる描写」、「舞台であるカトマンズの街と人々の描写」の3つの軸で構成されている。

「万智の心情の描写」についてはジャーナリストとして成長過程の矜持、葛藤、覚悟が丁寧に描かれている。万智の心の動きを通じて、「報道とは何か」が幾度も著者より問いかけられる。「あとがき」を読んでもこの「報道とは何か」がこの小説の主題であることは明らかだ。
この主題に対する万智の自問自答については、残念ながら僕にはあまり響いてこなかった。書いてあることはもっともだと思うし、異論は特にないのだけれど。

「万智が滞在するホテルトーキョーロッジの宿泊客と従業員のネパール人たちに関わる描写」はミステリーの肝であり、ネタバレにすぐにつながるので省略。

「カトマンズの街と人々の描写」については期待通りだったところと、そうでなかったところ。
冒頭の引用部分については強く共感した。それもカトマンズを飛び立った飛行機から見るヒマラヤ山脈は圧巻だ。飛行機が水平飛行に入ってもヒマラヤ山脈はほぼ目の高さにある。この美しさはまさに神秘的だった。写真でもうまく伝わらないけど。

DSC01867.JPG

<機内よりヒマラヤ山脈を望む 2015年3月>

ただ、そのほかのカトマンズの描写はゴミだらけの裏通りがほとんどだ。街角の寺院やシヴァ神像などに関する描写は限定的。カトマンズでは宗教は生活と切り離せないのだけれど、祈りや信仰についても描写が限られる。トラベルミステリーではないので、世界遺産の寺院やヒンドゥー教の中心である生ける女神「クマリ」については全く描かれていない。ここはカトマンズを舞台にしたのであれば、もっと力を入れてほしかった。
ナラヤンヒティ王宮事件についてもWikipediaに載っている程度の表記。当時、情報統制されていて現地の人々には何も伝えられていなかったという状況だから詳細な記述をしないのは、初めてこの事件のことを知る読者にはカトマンズの空気感はあまり伝わらないんじゃないかな。

日本に帰ったら濃い抹茶を飲もう。
そして、なんだか妙に牛肉が食べたい。ヒンドゥー教を事実上の国教とするネパールでは、牛は食べられない。香辛料が利いた食べ物が続いていたのに不思議だけれど、今食べたいのはビーフカレーだった。

この部分にも強く共感。ネパールに長く滞在すると本当に牛肉が食べたくなる。そして日本のカレーが食べたくなるのだ本当に。
小説の時代の2001年にはどうだったかは分からないけど、2016年現在であれば牛肉も日本のカレーもカトマンズでは食べることができる。それを万智に教えてあげたい。

王とサーカス -
王とサーカス -
posted by ZEN at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月03日

臙脂色の研究&anarchy in the V.K へ移行

善福寺から引っ越してすでに7ヶ月ほど。
善福寺を名乗るブログもどうかと思うので、ヴィッセル神戸関係については、新たにブログに移行します。

臙脂色の研究
http://studyincrimson.blogspot.com/
ご察しの通り、コナン・ドイルの緋色の研究(a study in scarlet)のもじりです。
ツイッターではできないようないろいろな分析を進めていく予定。
本日は、主審についての研究をしてみた。

そして、そのサイドBとしての、anarchy in the V.K
http://anarchy-in-the-vk.blogspot.com/
そして、こちらはもちろんanarchy in the U.Kから。
細かいクリップを集めていくつもり。

何卒、ご贔屓に。
posted by ZEN at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月06日

ナビスコマリノス戦

栗原がいっているのでラッキーと思ってたら、青山なんているのでビックリ。
代表クラスのCBを3人抱えてるなんて・・・

試合は、前半は完全にマリノスペース。

右ボランチの位置に下がった中村俊輔からFWの渡辺、大黒に決定的なパスが何本も出てくる。
FWの周りを運動量豊富に駆け回る谷口も非常にやっかい。

自由にプレーする俊輔にヒデや松岡が何とかしようとするのだけど、
ボランチが俊輔のところまで行くと、神戸のDFラインとボランチの間に谷口が入ってくる。

これは新Nシステム?という、かつての名波中心のジュビロよろしく、中村俊輔のためのシステムに、序盤は翻弄される。

前半途中から、俊輔のマッチアップにホジェリーニョを当てて状況はやや好転する。
俊輔とホジェリーニョがお互いにボールキープする戦いは見ててとても面白かった。
放送がないのが(録画を見れないのが)とても残念。

今年のマリノスの好調は、このシステムによるところが大きいのじゃないかと思うのだが
(なぜか今年のマリノスの戦いは見ていないので、本当かどうかは知らない)
俊輔に守備的な選手を相対させるのではなく、攻撃の選手をぶつけるという今日の神戸のやり方は効果的なんじゃないかと思う。

ただし、ホジェリーニョが中盤に下がった神戸は、1トップの都倉が孤立して攻撃の基点が作れない。
前半はクロスバー、クニエとビツのゴールライン上クリアなどがあって、何とかゼロに抑えられた。

後半、俊輔はホジェリーニョに対する守備でややお疲れ気味。
大黒が下がってややマリノスの攻撃が鈍ってくる。
神戸は何回かカウンターでチャンスを作れるようになった。

神戸のカウンターの時に、足が動かなくなった俊輔が後ろからヒデを引っ張りイエロー。
その直後に狩野と交代。
ラッキーかと思ったけど、狩野のCKからの混戦で先制される。

この内容じゃ負けで仕方ないなあと思っていたところ、ロスタイムにホジェリーニョのミドルでドローに。

アウェイゴール1点というのは、特にアドバンテージにはならないとは思うけど、内容から見てドローはとてもラッキーな結果。

あと、後半からマリノスの10番が入って、神戸ゴール裏からはボール持つたびにブーイング。あのまま大黒がいたらきっと負けてたと思うだけに10番が出てきてくれたのもツイてたね。
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2011年05月22日

vs.広島

広島戦はテレビ観戦。

神戸のメンバーは前節に比べ、孝行がアウトで森岡がスタメン。
ベンチにはビツが戻ってきた。

一方の広島は、李忠成と森脇が出場停止、水本、青山は怪我、森崎浩司は発熱。
主要メンバーが5人かけた陣容。

キックオフ後20分間は広島に何もさせなかった。
神戸は森岡が決定機を迎えるがシュートはGKの正面。
このほかにも森岡はシンプルなプレーに終始、今までだとドリブルで仕掛けていたところも簡単にクロスをあげる。
三原が怪我でヒデが投入されるが、その間、森岡がボランチを務めていた。その時に森岡から都倉に出た縦パスが良かっただけに、やはり森岡は中盤で使ってあげたい。

三原の怪我で緊急投入されたヒデが、出場直後のプレーでミドルシュートを決める。
川崎戦のカンジョの投入直後のゴールといい、今年の神戸は運も味方している。

前半の半ばから、神戸のプレスが一段落したせいもあり、広島もチャンスを作り出す。
ただし、シュートはほとんど枠に飛ばない。

幸運に恵まれたこともあったけど、見事に3連勝。
自分たちから積極的に試合を動かす戦い方をしているから運も味方してくれるのでしょう。

現在、暫定ながら3位。
次は首位の柏と首位攻防戦(神戸が2点差以上で勝てば首位の可能性)。
神戸と柏の首位攻防戦って聞くとJ2のって感じだけどねぇ。
来週末に思いをはせて、今週も楽しい一週間を過ごしましょう。
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2011年05月17日

好天で快勝 vs.清水エスパルス

好天の5月、日差しはきつくもう初夏の雰囲気。絶好のサッカー観戦日和。

清水戦といえば神戸がJ1に復帰した2007年以降の4年間8回の対戦がすべて1-0で決まるという堅い試合になる組み合わせ。この日も当然ウノゼロの予感。

神戸はホジェリーニョがコンディション不良に代わって孝行が先発復帰、川崎戦で一時期の勢いが一段落してしまった森岡に代わってカンジョが今シーズン初先発。フォーメーションは4−4−2。
一方、清水は伊藤翔のワントップの4−1−2−3。

神戸の左MFは大久保、SBは茂木。対する清水の右WGは大前、SBは辻尾。
このサイドの攻防を圧倒的な存在感で支配したのは大久保嘉人。ボールキープ、ロングパス、ヒールキックにドリブル、そして攻撃だけでなく守備でもサイドを完全に制圧。
大久保とマッチアップする大前は完全に大久保に飲まれていた。
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posted by ZEN at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ヴィッセル神戸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月12日

今はその気持ちだけでも今は十分なのだと・・・

大変な事態になって、

自分も何かしたいとか、

何もできないもどかしさとか、

いろいろ気持ちが揺れ動いていませんか。
何かわからないけどあせったりしてませんか。

僕自身がそうです。そして幸か不幸か2回目の思いです。

ふとヨガの先生に言われた言葉を思い出しました。

ポーズができないからといって、

「自分はなんてだめなのだろうか・・・」とか、

「無理してもっとがんばろう!!」とか、

そんなことを思ってはいけません。
このヨガのクラスに来ていることで十分にがんばっているのです。


と。

まずは自分の心を落ち着かせて、

「何かしたいと思っている」

その気持ちだけでも今は十分なのだと思っておきます。

そして、いまの気持ちを大事にとっておきます。

今日できなくても、明日できなくても、

この気持ちと力が必要な時間は、まだまだ、とてもとても長いです。


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【prayforjapan】世界から届いた日本への祈り
posted by ZEN at 14:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月08日

さあ、アウェイだ。磐田戦だ。

開幕戦を何とか勝利で飾ったヴィッセル。
次はアウェイ磐田戦です。

開幕戦、スタジアムで会った知り合いに磐田戦のどうするのと問うと、ほとんどは「多分、いくと思う」という答え。「絶対にいく!!」って人がいなかった。

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posted by ZEN at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ヴィッセル神戸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月06日

森岡のための浦和戦

前日にはしゃぎすぎた結果、朝2度寝して、キックオフに間に合わないという大失態をしてしまい、開幕前のスタジアムのわくわく感を感じられないということに。

ってことで、試合を見たのは前半15分を過ぎた頃から。両チームのメンバーとポジションがなかなか頭に入らず、前半の試合内容はほとんど覚えていない。。。
記憶にあるのは審判がすぐ笛を吹いて、ゲームをぶった切るってことだけ。
昨シーズンの開幕直後も手を使ったプレーに厳しく、ファールが異常に多くて閉口したのだけど、今シーズンもまたはじめは厳しめにしていくのだろうか。
それとも、今日の飯田主審だけがそういう傾向なのでしょうか?

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posted by ZEN at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ヴィッセル神戸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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